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私、《ちくのう》持ちなんです…。


私、《ちくのう》持ちなんです…。

耳鼻科の外来を行っていると、
「私、もともと《ちくのう》もちなんです。」とおっしゃる方がいらっしゃいます。しかしそのほとんどが《ちくのう》ではないのです。
おそらく以前、「あなたは《ちくのう症》ですね」と言われて、そのまま「私はちくのう症だ」と思われているのだと思います。
「かつて急性ちくのう症(急性副鼻腔炎)になったことがある。」ということなのでしょう。

一方、「私、万年においがわからないんです。たまににおいを感じることもありますが…。」「鼻の奥にタンが落ちる感じが続いていす…。」
とおっしゃる方がいらっしゃいます。
そのような場合、本当に「ちくのう症(慢性副鼻腔炎)」であることが多いです。

ところで、「急性ちくのう症」とか「ちくのう症」とか、ちょっとわかりにくいですよね。
簡単にいうと、

【急性ちくのう症】・・・いわゆる「急性副鼻腔炎」。鼻かぜをこじらせてしまったもの。副鼻腔という鼻の奥の空洞に炎症を起こして、頭痛・嗅覚障害・後鼻漏(鼻の奥にタンが垂れる感じ)が主な症状。のどのかぜ、熱のかぜのあとに引き続き発症することがよくあります。一般的には2,3週間の治療で治癒します。

【ちくのう症】・・・いわゆる「慢性副鼻腔炎」。副鼻腔という空洞の「出入口」が狭く、慢性的に「その空洞の換気が悪い状態」が続いているのです。出入口が狭い原因は、骨格・鼻茸(鼻の中のポリープ)・アレルギー性鼻炎などがあげられます。
症状としては、慢性的な鼻づまり・慢性的な後鼻漏・良くなったり悪くなったりする嗅覚味覚障害などです。治療に3カ月ほど要す場合があり、場合によっては手術的な治療が必要な場合があります。
※その他、治療が大変なものとして「副鼻腔真菌症」「好酸球性副鼻腔」などがあります。
※副鼻腔(鼻の奥の空洞)の種類については、「小児・ちくのう編」ご覧ください。

診断は、基本的に鼻のファイバースコープで行います。場合によってはCTによる精密検査が必要になります。
副鼻腔炎の症状(後鼻漏・嗅覚・頭痛など)があった場合は、「急性副鼻腔炎」なのか「慢性副鼻腔炎」なのか、正確に診断を受けるのがよいでしょう。
※当院のCTは低被ばくのもので、被ばく量は胸部レントゲン一回分程度なので安心して検査を受けていただけます。