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ネットにも載っていない耳鼻科疾患の豆知識(小児・ちくのう症編)


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お子さんが病院で「副鼻腔炎ですね」と言われた経験がお持ちの方、多いのではないでしょうか。
一般的にお子さんが「副鼻腔炎」「急性ちくのう症」と診断された場合、正確にいうと「小児急性鼻副鼻腔炎」という病名になります。
症状は、黄色い鼻水・後鼻漏・鼻づまり・痰がらみの咳が挙げられますが、黄色い鼻水が出ていなくて、痰がらみの咳が続くだけの場合があるので、注意が必要です。その際は上咽頭(鼻と喉の境)に膿がたれている、いわゆる後鼻漏を確認し診断します。

ところで、副鼻腔という空洞は4種類あることはご存じでしょうか?
その4種類とは次のとおりです。

①上顎洞(じょうがくどう)・・・ほっぺたのところ
上顎洞に炎症を起こすと、中鼻道(イラスト参照)という部分から膿が流れ出てきます。

②篩骨洞(しこつどう)・・・目と目の間のところ
篩骨洞に炎症を起こすと、中鼻道~嗅裂(嗅いの神経がある所)という部分から膿が流れ出てきます。

③前頭洞(ぜんとうどう)・・・おでこのところ
前頭洞に膿がたまった場合は中鼻道に膿が流れ出てくる場合があります。ただ膿がはっきりしないこともあります。

④蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)・・・目の奥にあります
蝶形骨洞に膿がたまった場合は上咽頭に膿が流れでるのが認められることがあります。ただ膿がはっきりしないこともあります。

※患者さんの多い順に、上顎洞の炎症、篩骨洞の炎症、前頭洞の炎症、蝶形骨洞の炎症となります。

前頭洞や蝶形骨洞に膿がたまっている場合、頭痛だけをお子様が訴える場合があります。その場合、中鼻道や上咽頭に膿が垂れていることでこれらを疑いますが、必ずしも膿が認められず、診断にCTが必要なことがあります。

以上より、黄色い鼻水が出ていないにも関わらず痰がらみの咳が続く場合、また黄色い鼻水が出ていないにもかかわらず頭痛を訴える場合、きちんと小児鼻副鼻腔炎かどうかの診断を受けることをおすすめします。

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